一般言語学におけるヴォイスについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ヴォイスは,意味論的に動作の主体と動作の客体の見方の相違が文の命題に反映されるものと定義されてきた.例えば,能動態では,動作の主体から動作の客体に向かう一連の動作が描かれ,認知言語的に動作の主体が前景化されているが一方,受動態では,その一連の動作が,動作の客体が動作の主体に動作を被るという点で反転し,認知言語的に動作の客体が前景化される.また,非使役態でも,典型的には,動作の主体から動作の客体に向かう一連の動作が描かれている.一方,使役態では,被使役者(causee)が現れ,使役者(causer)が,被使役者を通じて動作を行わせるという動作を表している.さらに,言語類型論における様々な考察から,ヴォイスには,自動,他動,中動,反受動等々があるということも指摘されてきた.本稿では,これらの術語を概略的に整理するものである.それに加えて,本稿では,ヴォイスと関わる他の範疇との関わりについても,言及することにする.
- 千葉大学の論文
- 2005-09-30
著者
関連論文
- 一般言語学におけるヴォイスについて
- 現代朝解語における分析的な形"III-〓〓"について
- 現代朝鮮語におけるヴォイス接尾辞を取り得る動詞について : 統辞論的,意味論的観点からの一考察
- 一般言語学における意味論的役割について