近世期出版文化に於ける日用類書の研究 : 「重宝記」序文から得られる考察
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概要
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日用的な生活知識を扱った重宝記は、その内容が多岐にわたるため、それぞれ個別に研究されることはあったが、「重宝記」というひとつのまとまりとしての全体像が研究されることはなかった。そこで、重宝記の序文は、その内容を要約し読者に紹介したものが主である点に注目し、序文を見ることで重宝記という膨大な量の書物の一片でも解明させることを目的として本稿に臨んだ。重宝記序文の書名に関する記述や、序文の変遷、原本と改刻本それぞれの序文の比較などを論じ、そして、重宝記という様式が元禄年間から出版され続けるのは、重宝記が持つ独特の序文形式の中において、ある大義を掴んでいくことができたことが一因となっているのではないか、という結論に達した。
- 2005-03-31