アメリカ経営史におけるパターナリズム (経済学部50周年記念号)
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概要
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パターナリズムを日本では、封建時代の家業経営における主従の情誼が明治期以降に再編され日本的経営の特質を構成するようになったとして、その意義を説く傾向が強かった。しかし近年、いわゆるウェルフェア・キャピタリズム(会社が従業員に施す福利厚生、雇用保証、内部昇進等々の施策)への関心の高まりにつれて、パターナリズムに言及した論文が各国で書かれるようになってきた感がある。近代国家の中でも国によって企業と人の関係はけっして一様でないこと、同時代の経営の中にも「良い経営」「良い仕事」とそうでないものがあったことの意義に、着目した研究が増えてきたともいえる。本稿では、19 世紀アメリカの企業に見られたパターナルな人間関係、またそれを規定した歴史条件を吟味し、それらが20 世紀初頭までにウェルフェア・ワークとしてのかたちを整えてくる過程をたどった。その動きが、同じ20 世紀初頭に生起した「科学的管理」と時に反撥し合いながら、次第に企業内に統合されて、20 世紀の人事・労務管理の原型をつくることを展望している。
- 2003-12-16
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