2A10 成熟市場における消費者行動と企業の研究開発マネジメント(市場, 不確実性と研究開発マネジメント, 第20回年次学術大会講演要旨集II)
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概要
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反復購買で製品の使用経験が多い成熟した消費者は、ニーズが潜在的かつ多様であり、バラエティ・シーキング購買行動を取る傾向がある。このような消費者向けの製品開発で市場調査を利用すると、研究成果の確実性は高まるが、革新性は低下すると推察される。その場合に企業は、製品に変化を求める消費者に応えるため、革新性を重視する必要が生じる。そこで成熟市場の研究開発では、市場調査結果に依存せず、現場の自由度の高い研究マネジメントで革新性を高めながら、確実性を補う工夫がなされるとの仮説を立てた。しかし少数サンプルのアンケートでは、市場調査結果を重視する企業が多かった。但し、事例研究の結果、市場調査結果に依存しない企業では、研究初期段階から多様な人材が協働し、目標管理を徹底して確実性を高める工夫がなされ、仮説に沿う事例が見られた。一方、市場調査結果を重視する企業では、研究現場の自由度を確保して革新性を高める工夫が見られた。
- 研究・技術計画学会の論文
- 2005-10-22