障害者権利条約における教育条項をめぐる議論:インクルーシブ教育を中心に(<特集>障害者権利条約制定に向けての基本課題>
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概要
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障害者の教育権において機会均等化は国際的なキーワードである。現在では、障害者のおかれた環境を是正し排除的構造を撤廃するために、インクルーシブ教育が推進されている。一方、代替的コミュニケーションを要する際には代替的な学習形態が容認されるといった新たな動きも出てきている。障害者権利条約の教育条項はこの国際的到達点を継承しつつ、さらに一歩進めている、インクルーシブ教育とそれを実現するための合理的配慮は、一般教育において十分なサポートが整備されていない日本において有効であろう。しかし、障害者権利条約を真に生かすためにはインクルーシブ教育の具体的イメージを形成し、広く共有する努力が必要である。その際、障害者アイデンティティの構築は重要な観点の一つとなろう。障害を受け止めアイデンティティを確立するのは盲・聾に限らず、そのための支援はきわめて教育的な課題であるからである。
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