高機能広汎性発達障害児集団でのコミュニケーション・ソーシャルスキル支援の試み : 語用論的視点からのアプローチ(教育心理学と実践活動)
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概要
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基本的な意思疎通に問題がないとされている高機能広汎性発達障害の子どもたちは,学校などの健常児集団の会話の中では,健常児が共通理解できる言外の話題の前提や文脈が分からず,周囲から奇妙だと思われる発言をしたり,うまく会話に参加できなかったりするといった語用障害をもっている。そのため,彼らには健常児集団内での会話支援を行う一方で,高機能自閉症児の集団内でコミュニケーション・ソーシャルスキルの支援を行うことが効果的であると考えられる。しかし,国内では,まだ彼ら仲間集団内で相互交渉を通してコミュニケーションを系統立てて支援した報告はほとんどない。また,支援の結果,どのようなプロセスで子どもたちはコミュニケーションの破綻を修正し,他者の心情を確かめたり,自己の心情を伝えるようになるのかについても,明らかにはされていない。本稿では,小学5年生から中学1年生を中心にした10人の高機能広汎性発達障害児集団で集団活動に取り組み,そこでINREALによるコミュニケーション・ソーシャルスキル支援を行った。その取り組みに対し,援助の内容と,子どもたちが自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちを推し量り情動調整を行うプロセスに検討を加えた。
- 2005-03-30
著者
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