組織の年齢と生存の関係
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概要
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本稿は,組織生態学の議論における,組織の年齢と生存の関係の研究を俯瞰することにより,先行研究で示されていた年齢と生存の関係についての矛盾した結果に対し説明を与えることを目的とする。組織の年齢と生存の関係の先行研究は,必ずしも一貫した結果を示していない。一方の研究では,年齢と生存は正の関係(新しさの不利益)を示し,他方では,負の関係(加齢の不利益)を示している。この結果に対する解釈は,研究者間でいまだ一意ではない。先行研究のレビューの結果,年齢が生存に正の影響を与える要因と負の影響を与える要因の両者を表しており,その正負の影響の多寡により,組織の年齢と生存の関係が異なることが推察された。さらに,年齢の影響の多寡は,研究対象とする個体群の特性により左右されることが推測される。今後の研究では,年齢が生存に対し正の影響と負の影響を与える両者の要因を代理している,という理論的に妥当な想定に基づいて研究が行われることが要求される。
- 2004-06-15
著者
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