産業空洞化と電機メーカーの対応 : 製品化と国内生産の関連について(2004年度日本経営教育学会第50回全国研究大会)
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概要
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本報告の目的は, 産業空洞化への企業レベルでの対応の必要性, なかでもとくに技術の空洞への対応が企業にとって不可欠であることを明らかにするとともに, 実際に企業がどのような対策を講じ, そしてそれがどれほどの効果をもたらしたのかについて考察することにある。空洞化を危惧する議論はこれまでにも度々なされてきたが, 日系製造業の多くは国内における高付加価値製品生産への特化, そしてアジア域内における国際分業体制の構築などの空洞化への対応策を講じており, 結果として本格的な空洞化の被害が表面化するまでには至っていない。技術の空洞化に関する既存研究においては, 海外生産シフトに伴い新技術を生むための技術が失われる可能性があるということまでは指摘がなされてきたが, 技術水準の低下についてはその可能性があるという指摘にとどまり, 空洞化に対する企業の対応策について, 具体的な評価が十分になされてきたとは言い難い。本報告では, 電機メーカーに焦点を絞り, これまでに各社がどのような空洞化への対応を行い, それが実際にどれほどの効果を上げたのかについて, 特に製品化と国内生産との関連性に注目して検討を行っていく。
- 日本マネジメント学会の論文
- 2004-10-08