現代経営者の役割とコーポレート・ガバナンス : 経営者支配を中心として(2004年度日本経営教育学会第50回全国研究大会)
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概要
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21世紀に入っても尚、巨大株式会社の不祥事が相次ぎ、企業の社会性や倫理性が問われる今日、そもそも実際の経営者は、現代株式会社をどのように捉え、いかなる役割があると認識しているのだろうか。筆者は、企業の社会性を問う場合に、まず、現代経営者の企業観や経営動機が問題にされなければならないと考える。そこで、現代株式会社の現実の進化方向と、その方向に適合した現代経営者の役割、さらには、その現代経営者の役割を促進するためのコーポレート・ガバナンスについて、経営者支配論の今日的展開をなすことによって筆者なりに考察し、現代経営者に意味のある示唆を与えようとするものである。本報告では、現代株式会社は、もはや「制度的私企業」^<1)>へと進化しており、その経営は専門経営者によって支配されていること、そして、現代 (専門) 経営者は、制度的私企業にふさわしい社会性重視の経営、つまり、株主重視の経営ではなく、株主を含めた多様なステイクホールダーのニーズをバランスよく調整し、中立的で公正な立場から、すべてのステイクホールダーのニーズに主体的・積極的に応えていく方向へ転換しなければならないことを確認する。また、現代経営者は、自らの役割をまっとうするために、コーポレート・ガバナンス、つまり社会からの牽制を自らに主体的に強いるほどの気概と使命感を持って組織能力向上を目指さなければならないことを主張する。
- 日本マネジメント学会の論文
- 2004-10-08
著者
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