ICMパラダイムに基づいたILEの構築とその可能性 : チュータ・シリーズによる検討
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概要
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多桁減算の作問学習を題材にして,小世界を徐々に複雑化させながら発見的学習を導いていくというICMのパラダイムに基づいたILEを構築し,その可能性を検討した。構築されたILE(チュータシリーズ)では児童の入力した問題に対して異なった誤り方略を適用して解答する3匹のネズミが順次登場する。児童はその各々に対し,誤りを引き出す問題を発見的に構成し,誤りを正すという活動に導かれる。多桁減算学習後の小学2年生49名を対象にした評価研究の結果,ネズミの演示する誤り方略の変化に対応して児童の作問行動が変化していくことが,学習活動中の児童の発話,作成された問題の変化から示された。また,この変化が外部からの情報提示なしに生じた変化であることから,ICMのパラダイムに基づいた環境の変化が発見的に学習活動を導く可能性について議論がなされた。
- 大阪教育大学の論文
- 2005-09-30