電力自由化が電力会社の設備投資行動に与えた影響に関する実証分析 (森一夫教授古稀記念論文集)
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概要
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日本では、1995年から段階的に電力産業で自由化の動きがあった。主な目的は、これまで地域独占にあった電力市場を競争的にすることで、高コスト体質を改善し、電気料金を引き下げ、消費者便益の拡大を図ることである。しかし、市場が競争的になると、将来収益に対する不確実性が増加し、サンクコストを回避するため,設備投資を控えることがある。本論文では、自由化後に電力会社が不確実性により設備投資を減少させたことを実証分析した。その結果、自由化対象の発電設備だけでなく、送配電設備も自由化後、減少させていることが分かった。この結果は、今後安定的な電力供給が阻害される恐れがあることを示唆する。In Japan, the regulatory reform starts gradually from 1995 in the electricity industry. The main goal is to make the electricity market to be competitive as a result, to improve the high-cost performance, to lower the charge and to increase the consumer surplus. However, it increases uncertainty on the future profit. Firms are unwilling to invest for uncertainty to avoid sunk cost. In this paper, I investigate that the electricity firms reduce to invest for increasing of uncertainty after the regulatory reform started. I find that the electricity firms reduce to invest toward the supply and distribution system as well as the power system. This finding suggests that steady electricity supply may be damaged.
- 同志社大学の論文
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