インターネット・ショッピングにおける消費者の愛顧と知覚リスク(海外ジャーナル抄訳集 No.2)
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概要
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ネット・ショッピングはインターネットの用途のなかでもっとも急速に成長してきた分野である。しかしネット利用者のほとんどは、オンラインで集めた情報をもとにして実際の購入はオフラインで行っている。消費者がオンラインで購入したがらない理由として障壁の存在を挙げる研究者は少なくない。しかし、これまでそういった障壁について理論的に検討されることはなかった。本研究はネット・ショッピングから連想される知覚リスクの特徴とともに、ネット・ショッピングの際に知覚されるリスクの類型とネット愛顧行動との関係を、知覚リスクの理論的なフレームワークに基づいて検討する。具体的には、ネットで購買する入や購買せずに検索のみ行う人に影響するような4つのタイプの知覚リスク-金銭面、製品のパフォーマンス面、心理面、そして時間や利便性を失うといったリスク-とその人の人口統計学的特徴との関係、そしてネット愛顧行動に対して知覚リスクが及ぼす影響、これらについて検討した。その結果、知覚リスクはネット・ショッピングに対する障壁を説明する要因として有効であるという知見が得られた。こうした知覚リスクのフレームワークからネット愛顧行動を検証するモデルを提案すると同時に、経営上のインプリケーションや今後の研究についての指針も示している。
- 早稲田大学の論文
- 2005-05-31