複数の段階を伴う創造的交渉ゲームに関する研究
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概要
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本稿は、Maeda[7]が提示した交互提案創造的交渉ゲームを複数の段階を伴う交渉モデルに修正し、努力費用選択と利益分割という二つの問題を別々に取り扱う創造的交渉状況について考察する。主要な結論は以下のとおりである。(1)この種の創造的交渉モデルが努力費用量に基づく提案者決定ルールを採用する時、交互提案型の創造的交渉ゲームにおける均衡行動と比較して、非協力的な努力費用選択が実行される。(2)創造的活動を遂行する際にかかる総努力費用量を固定し、各主体がその負担割合について意見を提示し合う状況では、彼らは提案権を求めて自らが全ての努力費用を負担する宣言を行う。(3)各主体が自身にとって負担可能な努力費用量を個々独立に選択する状況においても、提案権を巡って非効率な努力費用選択が行われる。(4)このような非協力的交渉行動を規制する処罰ルールを各主体に課せば、効率的な努力費用選択に基づく利益分配が達成される。
- 2004-12-09