ネテイトとネイション(6) : 近代国民国家と世界経済の政治経済学
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概要
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「ステイトとネイション」の第I部「リヴァイアサンと市民社会」の最終章にあたり、「国家システムと国際社会」を主題として近代の政治的経済的国際関係を総合的に特徴付けている。これまで中世の普遍的権威であったローマ教皇と皇帝に代わり、一方では近代のジッペとも言うべきステイトを主体とする西欧国家システムが、他方では普遍的世界市場が近代の国際関係を構成するが、その間の亀裂はリアリストとリベラリストによる相対立する国際関係観をも生み出してきた。こうした対立は、世界市場が国際公共財の供給をもってはじめて安定しうること、ならびに、自由な市場関係がホッブス的国際関係を克服しえないばかりか相互補完関係にあることを媒介に、ヘドリー・ブルの国際システム論・国際社会論を拡張することをもって総合しうる。つまり、国際公共財の供給をヘゲモニーが担い、そこから共通の価値や規範・制度を備えた国際社会が形成されてはじめて近代の国際関係は安定する。
- 2001-12-11
著者
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