BCG生菌および死菌による肉芽腫形成とMacrophage Scavenger Receptorの役割
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概要
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スカベンジャー受容体はマクロファージに発現する変性低密度リポ蛋白の受容体で,Macrophage scavenger receptor class A type I,II(MSR-A)を始め7種の受容体がファミリーを形成している.MSR-Aは動脈硬化発生機序の鍵を握る分子である一方,lipopolysaccharide(LPS)など細菌性抗原とも結合し,生体内防御に重要な機能を発揮する.本研究ではBCGの生菌と死菌をマウスに投与し,肉芽腫形成とマクロファージの貧食能の点からMSR-Aの役割を検討した.死菌投与群に比較し,生菌投与群ではより肝に多くの肉芽腫が形成され,IFNγなどのサイトカインの発現も多かった.腹腔マクロファージを用いた比較では,死菌より生菌のほうがマクロファージに多く取り込まれ,生菌の取り込みは抗MSR-A抗体による阻害を受けた.以上の結果からMSR-AはBCG生菌に対する受容体として取り込み過程に関与し,肉芽腫形成に促進的に作用することが示された.
- 新潟大学の論文
- 2003-08-10
著者
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櫻田 潤子
新潟大学大学院病理部
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櫻田 潤子
新潟大学 大学院医歯学総合研究科細胞機能講座分子細胞病理学分野(病理学第二講座)
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櫻田 潤子
新潟大学大学院医歯学総合研究科細胞機能講座分子細胞病理学分野
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