我國將來の燃料問題と滿鮮の石炭(大正一四年三月三一日撫順講演大會に於て)(撫順講演大會, 滿鮮大會講演録)
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概要
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演者は(一)我國内の石炭産出及び消費量(二)將來の豫想(三)滿鮮石炭による補充の三項に亘りて詳述せり從來我國は石炭の輸出國なりしが大正十二年度に於て輸入國に一變し將來盆々輸入數量の増加を見んとす、本年度の出炭量は約三、一六〇萬噸なるべきが將來は筑豐炭の減産と北海炭及樺太炭の増加により本邦出炭の限度は約三、五〇〇萬噸たるべし之に對し今後の需要増加量は年々約二五〇萬噸なるべく斯くして今後十年後に於ては我國石炭消費量は五、〇〇〇萬噸に達し差引一、五〇〇萬噸の大不足を生ずべし演者は之が對策として(一)水力の利用(二)殖林の勵行(三)炭礦合同(四)炭田調査及試錐の官營(五)石炭利用法研究の實行(六)臺灣樺太朝鮮炭礦業の振興(七)移民の奬勵(八)東洋炭田の開發(滿洲炭田の利用)(九)運輸設備の改善(十)燃料問題に就き朝野の理解等の各項を掲げ其の主なるものとして必ず滿洲及朝鮮炭の援助を受くべきを述べたる後此等の地方より所要數量の全部を滿し得ざる時其の對策を如何にす可きかを説けり演者は將來撫順炭礦並に滿洲炭田の開發により出炭量を増加せしめ將來輸入を見るべき支那炭の價格調節に當り以て多量の安價なる輸入炭により内地炭坑の窮境に陷るを救ふと共に將來我國所要炭量の補給に當らん事を切望し滿洲並に朝鮮に於ける石炭關係者の任務の重且大なるを説けり。
- 一般社団法人日本エネルギー学会の論文
- 1925-05-20