朝鮮咸鏡北道の石炭に就て(大正一四年三月二五日京城講演會に於て)(京城講演會, 滿鮮大會講演録)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
咸鏡北道には種々炭質の異れる多量の石炭の埋藏有れば經濟上將又炭質利用上之が分類を必要とするも理論上困難を伴ひ易し石炭の分類法として從來種々の方法發表せられたるが要は日本の石炭に適應せる分類法を定むるに在るなり米國に於ては石炭分類の當初無煙炭、半無煙炭、半瀝青炭及び瀝青炭のみなりしが西部の石炭を調査するに及び更に亞瀝青、褐炭、亞炭等を得たり日本内地に於ても從來半瀝青炭を見出さざりしも咸鏡北道には之あるを認む又咸鏡北道産炭の内には乾燥と共に碎くる性質に種々の相違あり此等の點より見れば炭素と水素の比によりて石炭を分類する一般方法よりも寧ろ咸鏡北道の石炭は其の含有水分と乾燥による粉碎度を標準として分類する方優れるには非らざるか要するに分類のみに止らず尚其の性質を探究し之に適當なる工を加へ以て一般使用に適する如くなし豐富なる咸鏡北道の資源を活用するは朝鮮は勿論一日も忽にすべからざるなり。
- 1925-05-20