新たに修正した認知症のための簡便な認知機能テストとMini-Mental State Examination (MMSE)との比較
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概要
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【背景と目的】認知症の患者の認知機能を詳細に検討することは, 診断のみならず, 認知リハビリテーションにも重要な課題である.【対象と方法】2003年10月から2005年8月までの間に当院に受診した患者の中で, もの忘れを訴えた164名にMini-Mental State Examination (MMSE)と, 今回新たに一部修正した認知機能テストを施行した.84名は脳血管障害を有していた.さらに5名について認知機能テストの課題を用いた訓練を行った.【結果】認知機能テストの課題正答率が上がるとMMSEの得点も上昇した.MMSEの「3単語遅延再生」と認知機能テストの4単語記銘が認知症の初期から低下していた.MMSEでは「県・物品呼称」, 認知機能テストでは視覚認知・聴覚認知・呼称課題が比較的よく保たれていた.脳血管障害を有する群と有さない群では認知機能テストの結果に明らかな差異はなかった.【結語】認知症患者の認知機能テストは, MMSEと同様に認知症の程度の判断と認知機能改善のリハビリテーションに役立つと考えられた.
- 北関東医学会の論文
- 2006-02-01