現代のイエス研究における「神話」概念
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概要
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本論では,近代のイエス伝研究において重要な役割を果たした神話概念が,現代の研究においてどのように扱われているか考察する。まず近代から現代にいたる研究史を概観し,最近の研究から二人の論者を取り上げて検討していく。「第三の探求」に属するマックは,原始キリスト教の「神話形成」に言及しているが,その際の神話概念はあくまでもネガテイブである。一方,『聖書物語の蝕』の著者であるフライは,近代の聖書解釈における神話概念を批判するが,その批判は福音書の文学類型を問題にすることによって,より生産的な議論へと導くものであるといえる。
- 苫小牧工業高等専門学校の論文
- 2004-03-15