木材の引張強度に及ぼす節の影響に關する研究
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概要
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本論文は著者が目下行ひつゝある有節材の力學的性質に關する研究の一部分であつて、今囘茲に發表するのは、纎維に平行の引張強度に及ぼす節に關する研究である。本研究の終局の目的は、木材利用の合理化並びに木構造強度計算の精密化に在るが、本實驗に依つて究めんとする試驗の目的は、引張材の材軸に略〓垂直に節軸(節の縦中心線)が横はつてゐる場合に、節を含む斷面の強さが幾何位低下するかを究明するに在る。 著者は小節材乃至中節材に就いて實驗を行ひ、つぎの如き結果を得た。(1)節の品質の如何に拘らず纎維に平行の引張度に對しては、節は凡て拔節と見做し得る。(2)樹種(杉及び松)による節の影響の差違は顯著でない。(3)有節材(節軸にが材軸と略〓直交する場合)の引張強度算定式として,次の關係式を提案した。y=1-x 茲にyは有節材と無節材との引張強度の比、xは節徑と材徑との比である。(4)無節材の引張破壊の型式は、直截型、傾斜型,段状型,層状型及び是等の混合せるものに大別し得る。(5)有節材の引張破壊の型式は、直截、傾斜型直截傾斜型、圍繞型及び是等の混合せるものに大別し得る。(6)無節材の引張試驗體として、實用に供し得る見込みの在る板形引張試驗體を探求し得た。
- 社団法人日本建築学会の論文
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