伊豆半島からの後期中新世レピドシクリナおよび浮遊性有孔虫
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概要
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伊豆半島の静岡県田方郡中伊豆町下白岩(第1図)および下田市満金(第2図)にそれぞれ発達する石灰質岩は単体のレピドシクリナおよび浮遊性有孔虫を多数産出することで有名である。筆者らが下白岩および満金両化石産地のレピドシクリナおよび浮遊性有孔虫の研究をとおして確認したことは, おおよそ次のように要約される。1. 下白岩産地の下白岩層および満余産地の白浜層群下部層から共通して Lepidocyclina (Trybliolepidina) rutteni VAN DER VLERK を産出する。この大型有孔虫の胚芽室構造形態は下白岩標木群および満金標本群とも互いに酷似している。このことから, 筆者らは Lepidocyclina の胚芽室促進進化の程度は同じ段階のものであると結論づけることができた。2. 下白岩層からの浮遊性有孔虫群集は Zone N.14 および Zone N.17 をそれぞれ示す群集の混合からなっている。一方, 白浜層群下部層からの浮遊性有孔虫群集は Zone N.17 のものである。3.1,2の資料を総合すると, L. (T.) rutteni を産する下白岩層および白浜層群下部層は互いに対比される。また, 両地層の時代は浮遊性有孔虫分帯の N.17,つまり後期中新世と示唆される。
- 1981-12-01
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