自然教育園内の池沼および湧水の水質について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. 1973年6月, 11月, 12月に園内の池沼水および湧水・井戸水の水質調査をおこなった。2. pHは全地点ともほぼ中性であったが水生植物教材園で6月に水生植物性プランクトンの光合成のため著しくpH値が高くなった。3. 溶存酸素量はイモリの池がきわめて少なかったほかはほぼ80%以上の飽和率であった。4. 無機塩類は日本の湖沼の平均的含量より多く, これは武蔵野ロームの土壌成分に起因していると考えられる。水系別では湧水源からの距離にしたがって含量が減少する傾向がみられた。5. 有機性汚濁の主要原因は底生動物の遺骸や落葉・枯死水生植物の分解によって生じているが, NH^+_4-Nの増加速度から考えて近年の汚濁の進行が著しい。6. 全園にわたって鉛・亜鉛の含量が多く, これらによる汚濁が懸念される。
- 国立科学博物館の論文
- 1974-06-25