圧縮負荷によるラット変性椎間板でのアポトーシス誘導に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
目的:ラットモデルを用い異なる圧縮負荷による椎間板の変性,アポトーシス性細胞死とその誘導関連因子であるbaxとbcl-2の関与を明らかにすることである。対象と方法:Wistar-ratの尾椎に鋼線を刺入し鋼線間にバネを設置させ,持続的な圧縮力を尾椎椎間板に1ヵ月間負荷した後,椎間板を摘出した。これらにhematoxylin-eosine染色,alucian-blue染色を施し椎間板の病理組織学的検討を行うと同時に,各群の1視野あたりの髄核細胞数を比較検討した。また,TUNEL法による標識細胞数の計測と電子顕微鏡による観察を行なった。更に,baxとbcl-2遺伝子の発現をRT-PCR法ならびに免疫染色により解析した。結果:圧縮負荷群において髄核細胞の変性像が認められ,1視野あたりの髄核細胞数は圧縮負荷により有意に減少した(B群P=0.015)。また,圧縮負荷群ではalcian-blue染色による髄核基質の染色性低下もみられた。TUNEL法による1視野あたりの標識細胞数は,sham群と比較し,圧縮負荷群では有意に増加していた(A群p=0.0098,B群p<0.0001)。超微形態的にも髄核細胞のアポトーシス性細胞死が確認された。Bax,bcl-2遺伝子の圧縮負荷における発現充進がメッセージならびに蛋白レベルで観察された。結論:圧縮負荷による椎間板変性の機序には,baxの発現充進を介した髄核細胞のアポトーシス誘導が重要な役割を演ずる可能性が示唆された。
- 金沢医科大学の論文
著者
関連論文
- 圧縮負荷による椎間板変性モデルでのアポトーシスの誘導と MMPs の発現
- 片側進入低侵襲TLIFの臨床成績とその手術侵襲について : 通常のTLIFと比較した前向き研究
- 上位腰椎椎間板ヘルニアの画像上の特徴
- 腰部脊柱管狭窄症に対する片側進入両側除圧術の侵襲度比較
- 片側進入低侵襲TLIFの臨床成績とその手術侵襲について : 多裂筋への侵襲に着目して
- 円筒リトラクターを用いた顕微鏡視下頚椎後方除圧術の成績--術後2年以上の経過観察から (日本脊椎・脊髄神経手術手技学会特集号) -- (低侵襲手術--適応,限界,必要性(頚椎))
- 片側進入低侵襲TLIFの臨床成績とその手術侵襲について : 多裂筋への侵襲に着目して
- 経験と考察 腰部脊柱管狭窄症に対する円筒レトラクターを用いた顕微鏡視下片側進入両側除圧術の成績--従来法(両側拡大開窓術)との比較
- METRx micro discectomy system を用いた腰椎片側進入両側除圧術 : 術後画像所見の検討
- 外側型腰椎椎間板ヘルニアに対する METRx system を用いた micro discectomy
- 腰部脊柱管狭窄症に対する METRx Micro Discectomy system を用いた片側進入両側除圧術の成績 : 従来法(両側拡大開窓術)との比較
- 腰部脊柱管狭窄症に対するMETRx micro discectomy system を用いた片側進入両側除圧術
- 腰椎椎間板ヘルニアに対するMETRx system を用いた micro discectomy の短期成績 : Love 法と比較した preliminary report
- 腰椎椎間板ヘルニアに対する METRx system を用いた Micro discectomy の短期成績 : Love 法との比較検討
- METRx Micro discectomy と Micro endoscopic discectomy の手術操作性および視認性に関する比較検討
- 圧縮負荷によるラット変性椎間板でのアポトーシス誘導に関する研究
- 円筒リトラクターを用いた顕微鏡視下頚椎後方除圧術の成績 : 術後2年以上の経過観察から
- 臨床経験 外側型腰椎椎間板ヘルニアに対するMETRx systemを用いたmicrodiscectomy