アフガニスタン難民の低栄養児の月別変動の検討 : 年齢,性別,重症度を中心に
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概要
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難民小児の栄養支援方針を得るために, 2001年11月から2002年3月までの5ヶ月間, JIFF (日本国際親善厚生財団)の一員として,パキスタンのペシャワールでアフガニスタン難民の低体重児6859人中,低栄養児4868人(O〜5歳)について月別の性差,年齢比率,重症度の割合などを検討した.低栄養は,体重別の重症度およびエネルギー蛋白栄養失調疾患の二つの方法で評価した.性差は各月,女児が男児より高率であった.これはアフガニスタンの生活習慣と宗数的理由によると考えられた.各月,2歳未満児が67〜83%と多く,この年齢の脆弱性が窺われた.低栄養調査の際には,5歳以下の乳幼児は一括せず,細分した年齢で検討することが重要である.低栄養は診療開始早期には重症が多く,1〜2ヶ月間に減少し始め,逆に軽症例が漸増した.この動向は援助小児食の質量とほぼ相関していた.体重別の重症度と栄養失調疾患はほぼ平行して変動した.多忙な難民小児診療においては,先ず体重を目安に選別し,低体重児はさらに,栄養失調疾患として診断,治療するのが適切と考えられた.
- 獨協医科大学の論文
- 2004-03-25
著者
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