高インスリン血症と食餌性糖質のリポ蛋白脂質分画に及ぼす相互作用
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概要
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高インスリン血症(HI)と高中性脂肪血症が新たな動脈硬化の危険因子として注目されている。本研究では,食餌性糖質により外因性に高中性脂肪血症を惹起したラットにインスリンを投与することにより外因性HIを作成し,HIと食餌性糖質のリポ蛋白脂質分画に及ぼす相互作用を検討した。インスリン皮下注射によるHIとショ糖(S) との組み合わせにより, VLDL-triglyceride (TG)とHDL-cholesterol(Ch)の増加を認めた。S単独投与ではVLDL-TGの増加を,持続性末梢性HIとSの組み合わせではHDL-Chの増加のみを認めた。一方,インスリン単独投与あるいは持続性門脈性HIとSの組み合わせでは,リポ蛋白は変化しなかった。インスリン皮下注射とブドウ糖,果糖あるいは,ブドウ糖+果糖との組み合わせでも,これらのリポ蛋白の変化は認められなかった。末梢性HIとSの組み合わせにより実験的高HDL血症が作成されることを実証した。