新生児血清及び赤血球膜脂質構成の生後日令による変化について
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概要
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新生児における脂質代謝を検討する為に,血清及び赤血球膜脂質の生後日令による変化を調べ以下の結果を得た。1.血清レシチン脂肪酸分析:必須脂肪酸であるリノール酸は,出生時成熟児未熟児ともに成人に比し著しく低値であった。成熟児では生後速やかに増加し,生後一週間以内に成人値と差を認めなくなったが,未熟児では生後8〜14日でもまだ成人より低値であった。一方非必須脂肪酸ではオレイン酸の増加が著明で,成熟児未熟児とも新生児期は成人値より高値であった。2.赤血球膜脂質:総燐脂質は新生児期いずれの日令でも成熟児未熟児とも成人値より高値であった。一方コレステロールは出生時は成熟児未熟児とも成人値と差を認めなかったが,その後増加し成人値より高値をとる傾向がみられた。3.赤血球膜燐脂質脂肪酸分析:レシチンにおけるバルミチン酸はいずれの日令でも成人より高値を示し,逆にリノール酸は成人より著しく低値となっていた。フォスファチジールエタノラミンでも同様で,新生児期におけるバルミチン酸の増加及びリノール酸の低下か漕められた。
- 神戸大学の論文