間質性肺気腫の成因に関する実験的研究
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概要
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生後3日以内の新生仔豚を使用し(1)肺機能測定-特に動肺コンプライアンスの測定, (2) 肺内に空気を注入することによる経胸的インピーダンス(Zo)の変化 (3)各種換気条件によって人工換気を6時間行い気管内チューブ口側端圧(P_M), 気管内圧(P_r),肺胸膜下圧(P_<LT>),食道内圧(P_E), 及びZo値の連続的測定を行った。また実験終了後肺組織を光顕学的に検索し以下の結果を得た。新生仔豚は肺機能上新生児と類似性が見られた。肺含気量とZo値との関係をみると,有意な相関を示し,肺含気量の連続測定にインピーダンス法が有用であることが示された。換気条件からの検討では,低頻度・高圧換気群よりも高頻度・低圧換気群の方にair trappingが強く生じた。即ちair trappingの発生は吸気圧よりもむしろ換気回数に依存することが示された。また通常臨床の場で用いられるP_M は末梢気道や肺胞内圧を反映せずP_E が良いモニターになることが分かった。光顕学的検索でも高頻度・低圧換気群にPIEを認め,ガスは肺胞壁の過伸展,断裂によって血管周囲とリンパ管の両者に流入したと考えられた。以上より新生児において,換気回数の増加はPIEの発生をきたしやすく,その早期発見にP_E,Z_o値の連続的測定が有用であると示唆された。
- 神戸大学の論文