糖尿病における血清 myo-inositol の動態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高血糖状態ではmyo-inositol(以下MI)の細胞内への取り込みが抑制されることが神経・腎・水晶体において報告されている。そこで血清中MIを抽出し,誘導体かえて測定するため,新たにn-butylboronic(以下nBB)を用いたgas chromatographicmass spectrometry(以下GC/MS)のselectedion monitoring mode (以下SIM)による測定法を開発した。そしてこの測定法を用いて糖尿病患者(n=103)の血清中MI値と糖尿病性血管障害との相関を検討した。糖尿病患者は健常者に比較して血清中MI値が有意に高かった(7.3±1.2μg/ml;p<0.01)。網膜症合併例(n=13) では軽度の高値(7.5±1.7μg/ml;p<0.01)を示したが,とくに腎症合併例(n=35)では著明な高値(45.3±12.5μg/ml;p<0.01)を示した。同時に測定した血中creatinine値と血清中MI値の間には正の相関(r=0.73)がみられた。
- 神戸大学の論文