糖代謝調節機構に関する研究 : 特に門脈内,末梢静脈内インスリン注入時の糖利用率への影響
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概要
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門脈内,末梢静脈内インスリン注入時の糖代謝への影響を検討するため,glucose insulin clamp法を用い,血糖値,血中インスリン濃度の何れも一定にした条件下で膵摘犬(n=15)による実験をおこなった。血糖は常時78.4±1.9mg/dlと一定に維持し,0.75,1.5, 4.0mU/kg/min.のインスリンを両ルートから注入した。その結果,末梢血中IRIは何れのインスリン注入量においても,門脈内インスリン注入時の方が有意に低値であった。又glucose insulin clamp中のブドウ糖注入率は何れのインスリン注入量においても,末梢静脈にインスリンを注入した時の方が門脈内注入時に比し有意に高値であった。一方,門脈内にブドウ糖を注入することにより,門脈内のみブドウ糖濃度を上昇させたときの糖代謝を検討するため,同様の条件下でブドウ糖注入を両ルートで比較するとブドウ糖注入率は門脈ルートで有意に増加した。この変化はインスリンの両注入ルートで同様に認められ,門脈内インスリン濃度の差によっては影響は受けなかった。
著者
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