ドイツ企業経営における新型技術の展開と労務政策
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1980年代半ばからドイツでは,生産部門を中心に,生産活動全般に関わる「管理・計画機能」を担うPPSシステムや「生産技術的機能」を担うCAD/CAMシステムの導入・利用が多くの企業によって進められている。そうした技術・システムの利用形態における新たな特質と考えられるのは統合化という側面にあると言える。こうしたことは,情報通信技術の研究・開発やEC統合に伴うESPRIT計画,EUREKA計画などの実施により,現在では,設計から生産部門,販売部門を「情報システム」の駆使によりオンライン化しながら迅速かつグローバルな経営システム実現のためのCIM化の推進として注目されている。筆者はまず,ドイツにおいての現状ならびに今後の方向性に言及し,設計から製造に至る一貫したシステムの構築と合理化の特質,さらには,「情報ネットワーク」との連動によるトータルなシステムの推進による企業経営の様相について考察した。そのうえで,新型技術・システムの導入やCIM化の推進に伴う労働力構成,労働内容の変化に対応すべく取り組みをみせているドイツの労務政策の特徴と意義を熟練形成ということに焦点を絞り検討を加えた。
- 慶應義塾大学の論文
- 1992-08-25