トルクメーター付き内視鏡的砕石バスケットの有用性とその臨床応用に関する研究
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概要
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内視鏡的現乳頭括約筋切開術(Endoscopicsphincterotomy : 以下EST) は現在全世界に普及し,臨床的有用性が確立されている。1982年に開発された内視鏡的砕石バスケットにより,従来のESTのみでは砕石不可能であった総胆管結石も砕石可能となったが,バスケット断線による砕石不能症例を経験したことから,砕石バスケットの強度について検討する必要性を痛感し,トルクメーター装置付き機械的砕石バスケットを考案し,種々の砕石実験を行なうと共に,臨床応用について検討を行ない,次の結論を得た。 A トルクメーターの基礎実験について 操作部トルクメーター表示はバスケット部牽引力を有意に反映していると考えられた。 B in vitro砕石実験について 試作トルクメーター付き砕石バスケットの砕石安全限界値は7.2kgf.cmと考えられた。コレステロールや炭酸カルシウムを主成分とする結石の一部は砕石不可能であったが,通常の総胆管結石はこの範囲内で砕石可能であった。 C in vivo砕石実験について 総胆管結石症例において,結石砕石時のトルク値と回収された結石成分の関係はin vitroの結果とよく一致しており,特にビリルビン石は2.7kgf.cm以下で全例砕石可能であった。 以上の成績より,内視鏡的砕石バスケットによる総胆管結石の治療は,トルクメーター装置付き砕石バスケットの使用が臨床上より安全且つ有効であると考えられた。
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