K.ブライヒャーの統合的マネジメント構想の基本的枠組み
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概要
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ドイツ経営経済学は、従来経済科学の一部として企業の経済的現象の解明に取り組んできたが、近年、経営経済学を管理論、あるいはマネジメント論ととらえ、また経済科学の枠内のみでなく、さまざまな隣接諸科学の知識を取り入れて、学際的なマネジメント論を主張するものが現れている。本論文で取り上げるザンクト・ガレン学派のブライヒャーもそのうちの一人である。ブライヒャーは、システム志向的経営経済学の伝統を受け継ぎ、システム論を軸にして全体的、総合的なマネジメント構想を企図しようとする。その際、彼は現代の増大する複合性に注目し、複合性の概念を理論的に考察し、それを克服することをマネジメントの課題としている。そして複合性の克服を果たすことが企業発展を導くものであるとしている。また、現状のばらばらになっている、場当たり的な企業管理の実態を憂慮し、従来の因果分析的な思考方法からのパラダイム転換を唱えるウルリッヒ/プロープストによる「全体的思考」に基づいて、マネジメントを水平的次元と垂直的次元にわけ、それらを統合的に把握するという統合的マネジメント構想を打ち出すのである。以上のようなブライヒャーの構想は、それまでのザンクト・ガレン学派研究を受け継ぎ、さらに発展させたものであり、注目に値するものである。よって本論文で、その基本的枠組みを明らかにし、最後に若干の問題点を考察する。
- 名古屋市立大学の論文
- 2004-01-10
名古屋市立大学 | 論文
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