手骨骨塩量の年間変化量と身長変化, 初経時期および下顎骨成長との関連に関する研究
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概要
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Computed X-ray densitometry (CXD)法を用いて手骨骨塩量の年間変化量を求め, それと全身成長や下顎骨成長との関連について調べた.研究対象は初検査時7歳から19歳までの健常日本人女子199名, 男子68名である.研究に用いた資料は, それぞれについて2∿3年にわたり経年的に採得した手骨X線写真, 側面頭部X線規格写真および身長計測値である.本研究では, これら短期縦断資料を年齢的に連続させ, 全体資料を半縦断的に検討することとした.なお, 骨塩量の計測は, 骨塩定量検査装置(ボナライザー, 帝人, 東京)を用いた.結果は以下の通りであった.1. CXD法によって得た単位骨幅当たりの平均の骨塩量の増加ピークは身長および下顎骨の増加ピークより2∿3年遅れて発現した.女子では骨塩量は初経前後1年間に最大の増加ピークを示し, 10代のうちに最大骨量に達するものと推察された.2. CXD法の各指標を説明変数とし, その後の下顎骨全体長の増加量を目的変数として重回帰分析を行ったところ, 特に男子で高い重相関係数が得られた.3. 単位骨幅当たりの骨塩量の平均変化推移は, 下顎骨成長の平均的動態を示す指標になることが示された.
- 日本矯正歯科学会の論文
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