セラミックブラケット撤去時の CO_2 レーザー照射の効果について
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概要
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セラミックブラケットを容易に歯面から撤去するために波長10.6μmのCO_2レーザー使用し, 2種類の接着剤の影響についての比較を行い, 最適な照射条件を求めた.レーザーを照射し続けると, Bis-GMAレジンは7watts(w), 3sec, 4-META MMAレジンは3w, 3secの照射でセラミックブラケット撤去が可能であることがわかった.また, 圧縮剪断試験後の歯面の観察において, レーザー照射なしのコントロール群のうち, Bis-GMAレジンで接着したもののみに, エナメル質の損傷やブラケットの破折を生じたが, レーザー照射群ではこれらは生じなかった.ブラケット撤去のメカニズムを探るための熱膨張測定では, セラミックブラケットとBis-GMAレジンが, 温度の上昇にともない直線的な膨張を示すのに対し, 4-META MMAレジンは60℃をピークに膨張から収縮へと転じた.また, 安全性の評価としての温度測定では, 髄腔内はブラケット表面よりもきわめて低い温度上昇に抑えられていることがわかった.さらに, ブラケット上からレーザー照射した歯髄組織の観察でも, レーザー照射なしのコントロール群との差は観察されなかった.以上より, 本法におけるCO_2レーザーを用いたセラミックブラケットの撤去は, 歯髄に対して安全であった.また, より少ない照射エネルギーでの撤去が可能な4-META MMAレジンは, Bis-GMAレジンよりも安全性の高いセラミックブラケット撤去を可能にすることが確認された.
- 日本矯正歯科学会の論文
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