一般医科と歯科の社会的イメージに関する研究
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概要
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今回著者は職業的に医療と関係のない人々の歯科に対する社会的イメージが他の9科(内科,皮膚科,精神科,外科,耳鼻科,眼科,小児科,産婦人科,及び整形外科)と比べてどの位置にあるかを知るために,質問紙法によって調査を行った。調査日は1992年4月から1993年3月まで,被験者は愛知県名古屋市およびその周辺に住む男性99名,女性162名の7歳から80歳の男女であった。被験者は歯科を含む10の医科に対する彼らのイメージを自由に記述した。それをコード化すると163項目となった。これらの項目のうち,各科で最も多く記述された項目数は,それぞれ51,49,32,21,28,30,34,24,27及び34であった。最初に10科それぞれについてのこれらのイメージに対して対応分析を適用し,5次元の項目得点及び被験者得点を計算した。つぎに,それぞれの科に対して5次元の被験者得点のそれぞれに重回帰分析を適用した。これらの重回帰分析における予測変数は:(1)それぞれの被験者はどれほど治療経験があるか,(2)性別,及び(3)年齢,であった。5次元のうち少なくとも1つの重相関係数が統計的に有意の認められたものは,歯科,精神科,産婦科,整形外科の4科であった。最後に,データからクロス表を計算した。ここでクロス表の行及び列はそれぞれ10科及び163項目である。このクロス表に対する対応分析の結果,皮膚科と眼科のイメージが近く,外科と整形外科のイメージ,および歯科と内科のイメージが近かった。産婦人科は他の科とは孤立したイメージとなっていることがわかった。
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 1996-07-30
著者
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