青年期における不正咬合指標と齲蝕ならびに歯周疾患との関連に関する研究
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概要
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齲蝕や歯周疾患の原因系の一部を構成すると考えられる歯列不正の関与の程度を疫学的に明らかにすることを目的に,青年期の140名を対象に,齲蝕または歯周疾患と,歯列不正および口腔清掃状態について各種指数問の関連性について検討した。基本統計量としては齲蝕,歯周疾患および口腔清掃状態の把握に使用した指数は各4種,歯列不正は6種であり,重回帰分析では齲蝕は2種,歯周疾患は3種,歯列不正は6種,口腔清掃状態は3種の指数であった。各種指数について,齲蝕指数あるいは歯周疾患指数を目的変数とし歯列不正指数および口腔清掃指数を説明変数として,また,口腔清掃指数を目的変数とし歯列不正指数を説明変数として,その関連性を段階的重回帰分析(Stepwise変数選択法)により分析した。齲蝕と歯列不正の関連については齲蝕のDFSに対する歯列不正指数ALD(偏相関係数:-.267)およびNMT(.312)の関与において高い重相関係数(R>.4)が得られたが,口腔清掃状態との関連は見られなかった。歯周疾患に対する歯列不正および口腔清掃指数間の関与においてはいずれも高い重相関係数(R>.6)が得られた。歯列不正のNMT(.174〜.195)が有意であり,下顎前歯においては叢生のCRDはPMA(.235),PI(.260),BOP(.252)のすべてに対して有意変数となった。また,口腔清掃指数との間にはいずれも高度に有意な偏相関係数が得られ,ことに歯石指数CI(>.443)との関連が強くいずれも高度に有意であった。一方,口腔清掃状態と歯列不正の関連については一部を除き有意変数は存在せず,ほとんど関連は観察されなかった。
- 1996-04-30
著者
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