有人宇宙システム「安全な高信頼性システムを目指して」 : スペースシャトル・コロンビア事故の悲劇に学ぶ(<特集>宇宙開発における信頼性)
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概要
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米ソの冷戦の中から始まった有人宇宙開発は, 宇宙への夢への挑戦, 競争, 事故の教訓などに学び, 発展してきた.航空機, ミサイル, 宇宙機などにより制空権を確保することから, アポロ宇宙船からのEarth Riseの写真に衝撃を受け, One Earthを認識し, 人類が地球を守り, 協力し発展させることを認識した.地球人を意識し, 国際協力による地球環境への対応, 16カ国が参加し協力する国際宇宙ステーションの建設などを進めている.有人システムは, 事故の教訓に学び, 安全な高信頼性システムを目指している.宇宙船や運用システムと共に, それを支えるプロセスや, チーム・組織の活動で, 信頼性を高くする.物は壊れる, 人はエラーする.良いシステムでは, 故障やエラーへの防御網を持つ.鉄道等地上システムでは, フェール・セーフを進めている.航空宇宙では, Two Fail Safeを基本とする.コロンビア事故調査委員会報告書では, 高信頼性理論を基に, 日本で発展したPDCAの他に, チェック&バランスの必要性や, 技術者倫理, 組織文化, 成長の重要性を説いている.この記事では, 高信頼性システムや組織の活動の基にある考え方を示す.
- 2005-08-01