"Streptococcus milleri"はムラミルジペプチド前投与マウスにアナフィラキシー様反応と炎症性サイトカインを誘導する
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概要
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"Streptococcus milleri"はヒト粘膜部の常在細菌の1つであり,全身の化膿性病変の主要な原因菌の1つである。本研究では,口腔および身体各部の化膿病巣から分離された"S. milleri"の3菌種,すなわちS.anginosus, S.constellatusおよびS.intermediusを含む13菌種131株のビリダンスレンサ球菌のアナフィラキシー様反応惹起能と炎症性サイトカイン誘導能をin vivo系で調べた。ムラミルジペプチド前投与C3H/HeNマウスに各菌株の全菌体(500μg)を静脈注射したところ,"S.milleri"の3菌種では供試109株のうち106株がアナフィラキシー様反応を,その74株がマウスの急性死を惹き起こした。アナフィラキシー様反応の惹起能は3菌種の間では有意の差がみられなかったが,いずれも他の10レンサ菌種(22株中17株)に比べては高かった。S.anginosusとS.Constellatusの感染巣由来株は口腔由来株よりもアナフィラキシー様反応惹起能が高く,口腔由来株ではS.intermediusが他の2菌種よりもいずれの惹起能とも高い傾向がみられた。生残したマウスの血清中には,アナフィラキシー様反応の有無にかかわらず,TNF-α,IL-6およびIL-1活性が検出された。アナフィラキシー様反応惹起能とサイトカイン誘導レベルとの間には必ずしも相関は認められなかった。
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 1998-04-30