80歳以上の高齢者における歯科保健に関する研究 : 山形県上山市での調査
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
山形県上山市に在住する80歳以上の高齢者全員に対し,作成した調査票を郵送法で調査を行った。返送された調査票のうち集計可能な605名(男性234人,女性371人,平均年齢85.1歳)を調査対象とし,各質問項目について検討したところ以下の結果を得た。1.高齢者の生活において,半数以上の者が3世代同居をしていた。2.「生きがい」をもっていると答えた者は,現在歯数が多い者に多くみられ,「生きがい」をもっていないと答えた者は欠損したままで義歯を装着していない者に多くみられた。3.対象者の12.1%の66人(男性の17.6%,42人,女性の6.5%,24人)が8020の達成者であった。4.対象者の81.9%の者が義歯を装着していて,そのうちの44.6%の者が全部床義歯であった。また,義歯の装着が必要であるが装着していない者は,年齢に関係なくほぼ一定の割合(16.0%)であった。5.かかりつけ歯科医については,欠損したままで義歯を装着していない者,全部床義歯を装着している者ほど,「ない」と答え,歯科診療を敬遠している傾向がみられた。6.咀嚼能において,義歯を装着することにより,欠損したまま義歯を装着していない状態と比較すると,咀嚼能が大きくなった。
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 1998-01-30