矯正力負荷による歯周組織リモデリング過程のインテグリンαvの変動とその意義
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概要
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インテグリンは, 細胞膜表面に存在し, 細胞-細胞, 細胞-細胞間基質の接着をつかさどる受容体分子である.本研究で著者は, マウス歯周靭帯におけるインテグリンの発現および矯正力による発現の変化を確認しようと試みた.RT-PCRとWestern blot解析により, 破骨細胞および血管新生に関与するインテグリンサブユニット(αv, β3およびβ5サブユニット)とEGFレセプター(ErbB1, ErbB2)がマウス歯周組織において確認された.また, 免疫組織化学的検討により, インテグリンαvβ3, 血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1/Flt-1, VEGFR-2/Flk-1), と線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR-1)が矯正力に応答して, 歯周靭帯の圧迫側の血管周囲に発現していた.また, インテグリンαvβ3は圧迫側の歯槽骨吸収窩に存在する破骨細胞にも発現が確認された.これらの結果から, 歯の移動の初期過程でインテグリンαvβ3, VEGFR-1, VEGFR-2およびFGFRの誘導が起こり, 血管新生を伴った歯槽骨のリモデリング過程にこれら分子が関与している可能性が示唆された.
- 2005-02-25
著者
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