Porphyromonas gingivalis Arg-gingipain に対する歯周炎患者の免疫応答の解析
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概要
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Porphyromonas gingivalis は成人性歯周炎や急速進行性歯周炎の発症や進行に深く関わっていることが明らかにされている。本菌の産生するシステインプロテアーゼであるArg-gingipain(Rgp)は組織破壊のほか,赤血球凝集能や本菌の線毛形成に重要な役割を果たしていると考えられている。本研究の目的はRgp Aの各機能ドメインに対する歯周炎患者の血清IgG産生について解析することにある。RgpAのコンポーネントの組換えタンパク,(1) r-Rgp CAT,(2) r-Rgp 44,(3) r-Rgps 15-27,(それぞれRgpAのアミノ酸配列の (1) 228-719,(2) 720-1136,(3)1137-1704)を作製し,これらに対する血清IgG抗体反応をELlSAによって成人性歯周炎(AP),早期発症型歯周炎(EOP)患者と健常者の間で比較した。 P. gilegivalis 全菌体抗原,r-Rgp 44,r-Rgps 15-27 に対する血清抗体価はAP群,EOP 群ともに健常者群に比較して有意に高い値を示した(p<0.0001)。しかし,r-Rgp CAT に対する抗体価は EOP 群においては健常者群に比較して有意に高い値を示した(p<0.0001)が,AP群においては健常者群との間に有意差は認められなかった。以上の結果より,成人性歯周炎患者では RgpA の catalytic domain に対して抗体が産生されにくいことが示唆された。
- 2001-09-28
著者
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