架橋アルギン酸ゲル移植材の歯周組織再生誘導法への応用

概要

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本研究は,初期の実験的歯周炎の垂直的荷重に対する歯の変位動態を解明することを目的として,1)歯周病学的臨床パラメータ;プロービングポケットデプス(PPD),プロービングアタツチメントレベル(PAL),歯肉溝滲出液量(ペリオトロン値),動揺度(ペリオテスト値)の経日的変化,2)荷重に対する歯の変位動態の経日的変化,3)変位動態と臨床パラメータとの相関関係,の3つの分析を行った。実験動物は全身的に健康なビーグル成犬6頭を用い,被験歯は下顎左側第三前臼歯とした。実験的歯周炎は歯の全周にナイロン製デンタルフロスを結紮することにより惹起させた。歯に対する負荷は10gから100gまでの分鋼を垂直的に10秒間加え,変位測定は高精度レーザー変位計を用いて行った。測定は歯周炎惹起前のべ一スラインと歯周炎惹起後1,3,6日目に行った。その結果,1)PPD,PAしペリオトロン値は歯周炎惹起後1日目に有意な増加を示したが,3日目では変化しなかった。6日目に全ての臨床パラメータが増悪傾向を示した。2)沈下距離は1日目に有意に増加したが3日目ではほとんど変化せず,再び6日目に有意な増加を示した。3)負荷直後の速い変位動態を示す phase l 沈下距離はPPDと最も高い相関を示した。以上より初期の実験的歯周炎罹患歯の変位動態は臨床変化と同調するような経日的変化を示し,3日目から6日目にもっとも大きい機能的変化を示した。さらに今回のレーザー変位計は,炎症による歯の変位動態を詳細に捉えていたことが示唆された。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
2001-06-28

架橋アルギン酸ゲル移植材の歯周組織再生誘導法への応用

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