日本人の若年成人におけるインターロイキン-1遺伝子多型と歯周病変との関連性

概要

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歯周病は多因子病のlつであり,重症度には明らかな個体差があるため,その発症および進行の機構は末だに明確ではない。主要な炎症性サイトカインの1つであるインターロイキン1(IL1)は遺伝子多型であるが,近年,特異的なIL1遺伝子型が重度成人型歯周炎に対する感受性の指標となり得る事が報告された。そこで今回我々は,日本人の若年成人におけるIL-1遣伝子多型と歯周病変との関連性を明確にする目的で,biallelic restriction fragment length polymorphisms(RFLP)分析によりIL-1A^<-889>とILIB^<+3953> の遺伝子型の解析を行い,歯周病変を有している者と健常者におけるこれらIL-1A^<-889>とIL-1B^<+3953> の各遣伝子型の分布を調べた。その結果,歯周病変を有している者は健常者と比較して,圧1B+3953アリル2,特にアリル2のホモ,遺伝子型を有する者の割含が高い傾向を示し,またIL-1A^<-889> アリル1とIL-1B^<+3953> アリル2,特にアリル2のホモ,の組み合わせの遺伝子型を有する者の割合が有意に高いことが明らかとなった。これらの結果は,日本人の若年成人においてIL-1AとIL-1Bの遺伝子多型が歯周病変に対する感受性の指標と成り得る事を示唆している。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
2000-09-28