組織再生誘導法で獲得したサル再生結合組織性付着のブラキシズムに対する組織応答
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概要
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組織再生誘導法の目的は,歯周ポケットに露出した根面への再生結含組織性付着の獲得にある。本研究の目的は,外来刺激に対する再生歯周組繊の組織応答を検索するために,再生結合組織性付着に着巨し,ブラキシズムに対する組織反応を検索することにある。実験には10頭のニホンザルを用いた。実験群は上顎左側第二小臼歯を用い,近心根頬側歯槽骨をセメント・エナメル境界部から根端側に向かって5mm除去し,e- PTFE膜で骨欠損を完全に被覆し,歯肉弁を縫合した。e-PTFE膜は術後6週で除去した。対照群は上顎右側第二小臼歯を用い,組繊再生誘導法は行わなかった。ブラキシズムは北村の方法(1990)にて発現させ,両群とも4週間作用させた後,安楽死させた。病理組繊学的検索はへマトキシリンーエオジン染色とアザン・マロリー染色,免疫組織化学的検索は抗アクチン抗体および増殖細胞核抗原(PCNA)を用いて行った。その結果,実験群では再生した結合組繊性付着が維持されていたのに対し,対照群では歯根表面に吸収が生じ,結合組繊性付着を喪失していた。また,実験群は対照群に比較してセメント質表面および周囲においてセメント芽細胞と線維芽細胞が明らかに多く認められ,それら細胞のPCNA陽性率は対照群と比較して実験群が有意に大であった(p<0.001)。アクチンフィラメント強陽性反応を示す細胞は,実験群が対照群に比較して明らかに多く認められた。以上の結果より,実験群ではブラキシズムに対して再生結合組繊性付着の形成に関与するセメント芽細胞と線維芽細胞の活性が,対照群に比較して広範囲で明らかに大きいと考えられ,それによって再生結含組織性付着が維持されていることが示唆された。
- 2000-09-28
著者
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