日本人における歯周炎患者および健常者のインターロイキン1遺伝子の多型について
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概要
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歯周病の病因において,重要な役割を演じているインターロイキン1(IL-1)の遣伝子として,IL-1 A,IL-1 B,IL-I RNが同定されている。IL-1 A遺伝子では,889位に,IL-1 B遺伝子では+3953位と-511位に一塩基変換の多型が認められている。本研究の目的は,日本人における成人性(AP)およぴ早期発症型歯周炎(EOP)患者,健常者のIL-l遣伝子の多型の分布を調べ,IL-l遣伝子型の歯周病のリスクマーカーとしての有用性を検討することである。AP患者30名,EOP患者24名,健常者30名を対象にした。lL-1の遣伝子型はrestriction fragment length polymorphism-polymerase chain reaction method により決定した。また,未梢血単核球を分離し,リポ多糖とともに培養後,培養ヒ清中のIL-l βのレベルをELISA法で測定した。その結果,IL-1 A 889 アリル2の遣伝子型を持つ頻度は健常者群(15.4%)と比べ,歯周病患者群で高い傾向があり,EOP患者群では(43.5%),統計学的に有意に高かった。圧1A889,IL-1B +3953ともにアリル2の遺伝子型,コンポジット遣伝子型を持つ頻度は健常者群(3.8%)と比べ歯周病患者群で高い傾向があり,EOP患者群(34.8%)では統計学的に有意に高かった。単核球のIL-1βの産生量とIL-1遺伝子型との関係は認められなかった。本研究によりIL-1の遣伝子型は日本人における早期発症型歯周炎を含む歯周病のリスクマーカーとして,有用であることが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 2000-03-28
著者
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