プラークによるインプラントと天然歯の周囲組織破壊に関する病理組織学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的はプラークを沈着させるため結紮糸を施し,インプラント周囲組織と歯周組織の組織破壊を病理組繊学的に検索することにある。実験には雑種成犬8頭を便用した。P3を抜歯,3カ月後に8本インプラントを埋入,その3カ月後にアバットメントを装着した。インプラントと天然歯は実験開始前1カ月問プラークコントロールを行った。リガチャーは,ブラークを蓄積するために8本のインプラントと天然歯の歯肉縁下部に設置した。3カ月問プラーク菩積後,インプラントと天然歯を合む顎骨を摘出した。パラフィン標本を作製し,病理組織学的および免疫組織学的検索を行った。T細胞のマーカーとしてCD45Ro抗体,B細胞のマーカーとしてCD 20 cy抗体を用いた。また,炎症性細胞浸潤の範囲,付着上皮の位置,歯槽骨頂部の位置を組繊計測を用い検索した。1) インプラント周囲組織における根端側への炎症性細胞浸潤の範囲は,天然歯の歯周組織におけるよりも明らかに拡大していた。2)骨吸収は天然歯で認められず,インプラントで顕著であった。3)インプラント周囲粘膜は天然歯の歯肉に比較してT細胞とB細胞の総和が,炎症性細胞に占める割合およびT細胞,B細胞の割合には有意な差がなかった。本研究結果からインプラント周囲組織は天然歯の歯周組織より炎症が急速,かつ深部組繊に波及することが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1999-03-28
著者
関連論文
- ヒトの垂直性骨欠損部へエナメル基質タンパクを用いた臨床症例
- 侵襲性歯周炎に抗菌療法と歯周組織再生誘導法を用いた1症例
- 歯牙移植に増殖歯根膜組織を用いた2症例
- 歯肉退縮療法におけるエナメル基質タンパクによる歯周組織再生について
- 多血小板血漿がGTRにおける硬組織形成に及ぼす影響について
- 臨床基礎教育におけるスケーリング・ルートプレーニングのシミュレーション・システムの開発
- エナメルマトリックスプロテインがGTRにおける歯根膜由来細胞に及ぼす作用について
- 自己増殖歯根膜組織の歯牙移植における創傷治癒について
- 自己増殖歯根膜組織の移植歯根における歯周組織再生能について
- 3B07 象牙質知覚過敏症に伴う歯髄間隔の高次中枢機能との関連
- B-1-14 : 00 腎移植患者における免疫制御剤の服用が歯肉増殖に及ぼす影響
- 3級根分岐部病変の創傷治癒における増殖歯根膜組織の有効性
- 再生歯根膜の創瘍治癒における Vasucular endothelial growth factor (VEGF) の動態
- 再生歯根膜の創傷治癒における Vascular endothelial growth factor (VEGF) の動態
- ヒトにおける自己の再生歯根膜の自家歯牙移植への応用
- 膜組織を応用した歯牙移植後の歯周組織再生
- 交互振動式電動歯ブラシのプラーク除去効果 - スクラビング振動とローリング振動を交互に行う方式について -
- プラークによるインプラントと天然歯の周囲組織破壊に関する病理組織学的研究
- 歯周療法学講座ポストグラデュエートコース第8期生による症例提示
- C-16-10 : 50 β-TCP骨補填剤と吸収性膜の併用の歯周組織再生における効果
- エナメルマトリックスプロテインがGTRにおける歯根膜由来細胞に及ぼす作用について
- B-36-10 : 20 膜組織を応用した歯牙移植後の歯周組織再生
- B-23-14 : 20 プラーク蓄積下におけるイヌの顎骨内オッセオインテグレイテッドインプラントの周囲組織の経時的変化
- 下顎正中部の形態形成における Indian hedgehog の役割
- D認-10 腎移植患者における歯肉増殖症の一治療例
- D-23 プラーク蓄積下におけるイヌの顎骨内Branemark^>[○!R]
- 自己の再生歯根膜組織再生システムの開発と臨床応用
- イヌのインプラント周囲組織にプラークが及ぼす影響に関する組織学的研究
- スケーリング・ルートプレーニングのシミュレーション教育用システムの開発
- C-19-15 : 10 プラークがイヌの天然歯とチタンインプラントの周囲組織に及ぼす影響に関する免疫組織学的研究
- A-17-15 : 44 プラークがイヌの天然歯とチタンインプラントの周囲組織に及ぼす影響に関する研究
- B-28-9 : 00 β-TCPが歯根膜由来細胞の骨形成の細胞動態に及ぼす影響
- 日本歯周病学会会員のインプラント治療に関するアンケート調査報告
- 保存科卒前臨床実習における新規教育プログラム「臨床実地問題作成演習」に関する学生アンケート調査