在宅脳卒中後遺症者の生活活動能力と機能障害・社会的因子の関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では, 在宅生活をいとなむ脳卒中後遺症者の機能障害がADLや社会的因子にどのように関与しているか, 社会的因子がADLに影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的とした。在宅の後遺症者82名(男性31名女性51名平均年齢66.5歳)に対し, 機能障害評価SIASとBarthel Index, 老研式活動能力指標, ソーシャルサポート, ソーシャルネットワークの調査を行った。機能障害は, 在宅生活に復帰した後遺症者においても, 依然ADLを左右する重要な要因で, 特に運動機能, 感覚機能といった脳卒中で顕在化しやすい機能障害との関わりが強かった。ソーシャルサポートは機能障害との関連性はあまりみられなかった。ソーシャルサポートなどの社会的因子は機能障害と同様にADLに影響を及ぼす重要な要因であった。以上を踏まえると, 理学療法士の地域活動においては, 機能障害へのアプローチは重要であり, 同時に, 社会的因子の影響を重視しながら, サポート提供者であるという姿勢を明確にすることが必要である。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1999-07-31