僧帽弁閉鎖不全症の開心術前後の運動耐容能の変化

概要

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心臓外科手術後の心臓リハビリテーションの意義を明らかにする目的で, 僧帽弁閉鎖不全症(以下MR)患者の心臓外科手術前後の運動耐容能の変化と, 運動耐容能に影響を与える因子を検討した。対象は手術前後に心肺運動負荷試験と断層心エコー図および血液検査を評価し得たMRへの待機的心臓外科手術症例25例(男性13例, 女性12例, 平均年齢57歳)である。心肺運動負荷試験により, 嫌気性代謝閾値での酸素摂取量(以下AT VO_2), 最高酸素摂取量(以下peak VO_2), 換気効率(以下VE/VCO_2), 最小死腔換気比(以下minimal VD/VT)を求め, 断層心エコー図から安静時左室駆出分画(以下LVEF), 血液検査よりHb値を求めた。心臓外科手術後に運動耐容能は有意に低下した。また術後にはAT VO_2とVE/VCO_2およびpeak VO_2とminimal VD/VTに負の相関が認められ(r=-0.45とr=-0.64), 換気効率の運動耐容能への影響が示唆された。AT VO_2とLVEFの手術前後のそれぞれの変化に相関が認められ(r=0.59), 術後にLVEFの変化が運動耐容能に影響を与えることが示唆された。
1999-03-31