P300 と反応時間を指標とした脳卒中片麻痺患者の情報処理についての研究 : 単一課題と二重課題の遂行結果から
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概要
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単一課題及び二重課題遂行時誘発されるP300と反応時間を情報処理の一指標とし, これらの課題遂行時の脳卒中片麻痺患者の情報処理について, 左右半球別に比較検討を試みた。その結果, (1)右及び左片麻痺における表在体性感覚障害例と正常例について, 単一課題及び二重課題時のP300と反応時間は共に差はみられず, 表在体性感覚障害は, P300と反応時間を指標とする限りの情報処理自体には影響を及ぼすものではないことが示唆された。(2)片麻痺患者はそれぞれの障害半球で, 非障害半球より反応時間, P300潜時が遅延したことから, 片麻痺患者の情報処理の速度に左右半球差があることが示唆された。(3)二重課題では, 健常者及び片麻痺共に単一課題時より反応時間が遅延, P300振幅が減衰したことなどが情報処理容量の変化を反映したと考えられ, 一課題あたりへの容量配分は減少している可能性が示唆された。また左右片麻痺は, 健常者より反応時間遅延, P300振幅減衰と, 更にP300潜時遅延もみられた。(4)左片麻痺は, 健常者及び右片麻痺よりP300, 反応時間の水準が低かったことから, 右半球障害は, 特に情報処理に関わる能力に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1997-05-31
著者
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