腰椎椎間板障害に対する腰椎伸展運動療法 : 急性と慢性患者の比較
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概要
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腰椎椎間板障害患者を,急性患者と慢性患者に分け,腰椎伸展運動療法の効果を検討した。対象は外来患者で,急性患者158名,慢性患者86名であった。治療効果は,治療後3週間以内に判定した。結果,体幹屈曲時の指床間距離および疼痛をみると,初診時,急性,慢性患者ともに大きな差はなかった。下肢伸展挙上テストにおける角度および疼痛については,慢性患者は疼痛を伴うものが急性患者に比べ多かった。判定時では,指床間距離は急性,慢性患者ともに改善に差はみられらなかったが,体幹屈曲時における疼痛の改善は,急性患者の方が良かった。自覚症状である腰痛や下肢痛の変化は,疼痛が『消失したもの』と『時にあるもの』を有効とすると,急性患者は79.7%,慢性患者は54.7%と,急性患者は有意な改善を認めた。しかし,慢性患者では常に激しい疼痛があるものと,手術移行例を併せると29.1%と多く,このために改善率に差がでたものと考えた。また,手術移行例では,体幹屈曲時の疼痛や下肢伸展挙上テストにおける改善が乏しかった。本治療法で,体幹屈曲時の疼痛や,下肢伸展挙上角度の改善が得られない場合には,手術適応となる可能性が高いことが分かった。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1996-01-31
著者
-
木村 新吾
NTT西日本東海病院整形外科
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青木 一治
NTT東海総合病院整形外科
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木村 新吾
NTT東海総合病院整形外科
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平野 孝行
NTT東海総合病院
-
川合 孝代
NTT東海総合病院
-
平野 孝行
Ntt東海総合病院整形外科
-
川合 孝代
Ntt東海総合病院 整形外科
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青木 一治
Ntt東海総合病院 整形外科
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